3月22日(木)本協会茨城県支部(中山支部長)は、茨城県県南生涯学習センター多目的ホール(土浦市役所5階)において、「シンポジウム 飲酒運転根絶を考える会 前期土浦大会」を開催
茨城県は平成28年、29年と2年連続で飲酒運転による死亡事故発生件数・死者数が全国ワースト1位であったことから、行政、関係団体及び一般の方々と話し合う場が欲しいとの多数の意見が支部長に寄せられ、当初2月であった交通安全講習会の計画を、貴重な意見を反映させるべく関係者にこの危機的な状況から飲酒運転を根絶するシンポジウムを提案したところ、賛同が得られたので、今回開催するはこびとなり参加総数約150名となりました。
冒頭、このシンポジウムの開催を主催した本協会茨城県支部長・茨城県運転代行協会会長中山一夫は、茨城県から飲酒運転を根絶する「ゼロ運動」の推進活動の一環として、これまでにないシンポジウムの開催となった経緯を述べ、続いて茨城県議会議員として飲酒運転を根絶に尽力されている県運転代行協会顧問伊沢勝徳県議は、皆で飲酒運転根絶を話し合い、交通安全意識向上の必要性を述べられました。また、このシンポジウム開催にあたり、県庁、県警との調整、昨年は県議会での飲酒運転に関する一般質問を提出するなど精力的に活動されている安藤真理子県議の紹介がされました。
中川清土浦市長から、協会の日頃の飲酒運転根絶活動への感謝、労いの言葉とともに、市町村・関係団体が一丸となり、交通安全、飲酒運転根絶を決意し、協力を深めるよう述べられました。土浦警察署土井孝彦地域交通官・兼地域第一課長からは、飲酒運転根絶を最重点課題として、取り締まりを強化したうえ飲酒運転根絶の機運を高めると抱負を述べられました。
第一部では、「茨城県内の飲酒運転の現況について」の議題で茨城県警察本部交通部参事官兼交通総務課長安田浩警視の講和に先立ち「終わりなき悔恨~飲酒運転の果てに~」というドラマ形式の教材ビデオが放映され、配られた資料をもとに、昨年、飲酒運転事故による死亡者が16名(全国ワースト)や、人身交通事故のなかでも飲酒運転による交通事故の占める割合が他県より格段に大きい現状が報告され、飲酒運転で事故を起こせば、被害者の人生を暗転させるだけでなく、自分の家族、仕事、社会的地位すべてを無くし人生を棒に振ってしまうことを強く訴えられました。
茨城県庁からは「飲酒運転根絶県民運動について」茨城県生活環境部生活文化課安全なまちづくり推進室川上浩二室長補佐より交通安全意識の啓発活動の説明において、特に飲酒運転根絶の取組について、茨城県交通安全県民運動推進要綱への運動最重点項目への位置づけのほか、県・市町村、警察署、関係機関等が相互に協力し、飲酒運転根絶を広報する活動の必要が訴えられました。
第二部では、「飲酒運転根絶についての意見交換」と題し、10名のシンポジストが壇上に上がり、事前に行われたアンケート調査による質問、会場参加者からの質問等についての問答が行われました。
シンポジスト
・一般社団法人 土浦青年会議所 理事長 伊東博幸 様
・土浦商工会議所青年部 会長 冨田佳秀 様
・土浦商工会議所青年部 平成30年度会長 大竹信長 様
・土浦環ライオンズ 第二副会長 塚本美明 様
・茨城県警察交通部参事官兼交通総務課長 安田浩 様
・茨城県企画部交通政策課 係長 山浦俊一 様
・茨城県生活環境部生活文化課安全なまちづくり推進室 室長補佐 川上浩二 様
・雅電設株式会社 代表取締役 塚崎雅之 様
・公益社団法人 全国運転代行協会 事務局長 竹内正士 様
・茨城県運転代行協会 副会長 大川寿哉
司会者青山律子さんの進行により、最初の質問「皆様の企業、団体で飲酒運転に気を付けている事、ヒヤッとしたことや、飲酒運転が起こりやすい状況などを教えて下さい。」といった内容から始まりました。それぞれのシンポジストは、具体例を挙げながら独自の対処方法、計画性を持った運転代行の利用法、警察内でのアルコールチェック方法、県職員の取り組み(誓約書の提出)など、普段聞けないような貴重なお話を聞くことができました。
代行関係者へは、年末年始、年度末の混雑状況の中、どのように対応しているのか、白タク行為、途中下車の具体例などの説明をもとめる質問があり、協会、業者の観点から、忙しい中でも支部ごとに有志会員が運転代行業界の適正化の実現に向け、活動を実施している状況であると回答されました。
会場からは、交通違反をした運転代行業者への優良運転代行業者認定についての疑問、県民のドライバーの数、高齢者ドライバーの数、高齢者の免許返納への施策について質問があり、全国運転代行協会、県庁から分かりやすく回答されました。
飲酒運転の具体的な事例についての質問では、最近、酒が抜け切れていない状態、二日酔いで検挙される運転手が増えていると警察から伝えられたことと、茨城県が盗難車犯罪も全国ワーストであることの関連性があるのかと参加者から質問がありました。飲酒運転の検挙された車が盗難車であった事例はないとのことで、関係性はないのではないかとの警察、県庁のお答えでした。ただ、共通しているのは、意識の点、このぐらいなら盗まれないのではないか、このぐらいでは飲酒でつかまらないのではないか、このぐらいの距離なら運転していけるのではないかという意識のあまさが、もしかしたら関係しているかもしれないと個人の見解も、県庁川上室長補佐が話されていました。
最後は、代行の待ち時間が長い。その辺りの改善が飲酒運転を一つでも減らすことに繋がるのではないか、効率よく運行管理する対策はあるのかといった質問に対し、県協会大川副会長より、現在スマートフォンでの配車アプリの計画が進んでいる旨が伝えられました。
時間の関係上、会場には、まだ質問をしたいという方も多数いらっしゃいましたが、次回の水戸大会に持ち越しという形をとらせて頂きました。
閉会の言葉として、茨城県運転代行協会大川寿哉副会長より今回の大会開催のお礼と共に、「シンポジウム飲酒運転根絶を考える会」後期水戸大会が秋に開催される予定が発表され、交通安全、飲酒運転に関することで「何かが変わった」と少しでも実感できるよう、また今回の前期土浦大会の結果を、後期水戸大会の報告に繋げることができるよう期待したいという言葉が印象的でした。
今回、県庁、県警、企業、関係団体、地域に住む一般の方々が一堂に集い、飲酒運転根絶を主題にしたシンポジウムにおいて、茨城県の飲酒運転ワーストの汚名を返上し、不幸しか招かない飲酒運転の根絶を切に願いながら、素人集団が一生懸命この大会の設営にあたって参りました。不備も多々ありましたが、飲酒運転根絶、交通安全に対する熱い気持ちはお伝えすることができたのではないかと思います。
本協会茨城県支部、茨城県運転代行協会は、今後とも運転代行の仕事を通じ、県、県警、市町村、地域企業関係各団体や地域にお住まいの方々のご協力のもと、飲酒運転根絶キャンペーン、講習会、交通安全啓発活動を積極的に展開して参りますので、皆様、ご理解、ご協力のほど宜しくお願い致します。
公益社団法人全国運転代行協会 茨城県支部の報告から