11月5日(日)に協会滋賀県支部(西村支部長)は、運転代行業の更なる適正化を進めるため、滋賀県立男女共同参画センターにおいて「運転代行安全運転講習会」を開催しました。
冒頭、西村支部長から開催の趣旨説明として、国土交通省から、「利用者保護対策」に関し、昨年、随伴用自動車の損害賠償措置、表示や料金制度のガイドライン及び立入検査の強化等、新たな重要施策を発出されたことを話されました。
講演では、先ず滋賀県土木交通部交通戦略課交通安全対策室 鹿田賢治主査から、「①随伴用自動車の損害賠償措置の締結義務」「②随伴用自動車の表示の厳格化」 「③AB間輸送の禁止(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)」「④名義貸しの禁止(30万円以下の罰金)」等について詳しく説明がなされ、経営者は適正な業務管理をするよう強く強調されました。
引き続き、滋賀県警察本部交通部交通企画課企画第一・第二係 黒川昭登警部補による、「安全運転管理者の基本業務について」と題して、法令順守のほか、利益だけを追求すること無く利用者を保護するためには、安全運転管理者の責任が重要であり、例えば運転中の窓からタバコのポイ捨て等が、利用者から多数通報されていることからも、安全運転管理者は、運転手のマナーについても注意を払ってもらう必要があると締めくくられました。
主催者側の協会丹澤会長からは、「代行業界の現状と問題点についての是正策」と題して、「①法令違反、低利用料金、労基最低賃金法、税金、損害賠償措置、白タク行為、AB間輸送」等の実態について報告がされました。次に、利用者保護対策の重点項目として、本年10月に国土交通省は新たに「運転代行に最低料金を条例で来年度中に基準を策定する」と示されたことを発表されました。
このため違法業者の取り締まりのため、協会滋賀県支部が中心となり、行政とともに適正化に取り組むため「通報制度トライアルⅡ」を来年1月から実施すること、その他滋賀県の現状として、「低料金のため運転手の雇用が不足しそれを高齢者が穴埋めし、結果事故が多発している」と報告がありました。
これらの早急な是正策としては、「原価計算に基づく代行料金の統一化」「営業ナンバー化」につきることから、今後も活動を続けると締めくくられました。
最後に、関西社労士事務所 吉田恵一様からは、「平成29年度 滋賀県最低賃金と労働環境」について、最低賃金制順守、労災保険(強制)及び定期健康診断などをパワーポイントにより詳しく説明がありました。
講演の後は、協会霜鳥理事・辻理事が司会進行し「①出席事業者に「現状と問題点について」のアンケート」「②通報制度トライアルⅡ参加県としての説明」「③原価計算を踏まえて最低料金を決めること」等についてディスカッションが行われました。
西村支部長から、本日の講習会に参加くださったお礼と、この講習会を機に自分たちのことは自分たちで守るため、一人ではなく同じ問題を抱えている者同士が協会に加入し、同志として問題解決にあたりましょう。と締めくくりました。
公益社団法人全国運転代行協会 滋賀県支部の報告から