2月12日(祝)午後1時半~4時半、宮崎市ニューウエルシティ宮崎において、毎年恒例の第29回合同研修会が協会宮崎県支部(佐伯支部長)と宮崎県運転代行事業協同組合の共催で開催されました。
開催宣言、主催者挨拶に続き来賓の宮崎県警察本部交通企画課の宇都宮淳一郎課長補佐、原田紀男講師及び協会丹澤会長が紹介された後、研修会に移りました。
第1部、宮崎県警察本部交通企画課の宇都宮淳一郎課長補佐
「県内の交通事故の現状と対策について」と題して、平成28年度における宮崎 県内の交通事故
に関する主な状況を下記のように説明されました。
【平成28年中の宮崎県内の交通事故の特徴】
① 脇見、安全不確認などによる「漫然運転」による事故 :69.9%(6,298件)
② 追突事故 :42.6%(3,843件)
③ 高齢者が第一原因の事故 :23.3%(2,105件)
④ 60歳以上の免許保有者が多い。 :36.7%(全免許保有者中)
100歳以上で4名が保有
⑤ 昨年12月から本年1月の2ヶ月で死亡事故が20件発生
⑥ 車道幅員が狭い(抜け道)道路での事故が多くなっている。
交通事故予防には、「事前状況予測」をしながらの運転が大切と総括されました。
【県総合政策部長発出資料の説明】
① 標準約款改正について(特に、随伴車両損害賠償措置の義務付け)
② 表示方法の改正 等についての改正の詳細が説明されました。
第2部、2007年に息子さんを、無免許・飲酒運転の23歳の男性により亡くされた遺族の方で、
原田 紀男様が「交通死亡事故 遺族の想い」について次のように訴えられました。
① 冒頭、2008年にNHK宮崎テレビで「飲酒運転根絶キャンペーン」での原田様の 取材映像を放映
② 突然息子が二人の子供を残して亡くなった。
③ あれから今日までの10年間の裁判の結果、損害賠償に関する採決は非常に厳しいも のとなり、
子供たちは朝夕の新聞配達で学費を賄うなど母子家庭を支えてきました。
④ 飲酒運転をした人は、1:近いから 2:少しだから 3:見つからなければ
4:日頃からやっているから 等の安易なものでありその結果、被害者・加害者の家
族も大変な人生になってしまう。 飲酒運転は重大な犯罪です。
⑤ 運転代行業は、「人の命と財産」を預かり安心・安全を提供する、車社会においては
無くてはならないもの大事な仕事です。
大変なお仕事でしょうが、利用者に常に見られていると意識をされ、飲酒運転の根絶
に寄与していただきたいと訴えられました。
第3部、公益社団法人全国運転代行協会 丹澤忠義会長
「改正法施行後の業界動向について」と題して、次のように解説されました。
① 地方に権限移譲がされましたが、本日の研修会の参加者が少ないことから、健全な事
業者または本気で「運転代行業」を考えられているのかと考えさせられます。
② 昨年、国土交通省から「利用者保護」に関する通達が発出され、そのことから適正な
事業者とそうでない事業者とに区分されることでしょう。
③ 今後は、料金体制の基礎ともなる、従業員に対する労働基準監督署が示す最低賃金
及び労働環境、料金メータの義務化、損害賠償義務、マイナンバー制による納税義務、
官民が一体となって行われる通報制度など業界の適正化が進められている。
④ 今後、平成23年に協会から国へ提出された要請書の継続検討依頼事項から、認定は
最低車両数3台以上を、更なる適正化に向けて国へ申請したいと考えます。
先に講話された原田様のような、飲酒運転による被害者及び加害者を出さないよう、
運転代行業界が健全な業界と評価され、社会に貢献できるよう適正化が急がれる。と
今後の動向を講話され、それぞれ運転代行業者と従業員からなる参加者に感銘を与え
る内容でした。
公益社団法人全国運転代行協会 宮崎県支部の報告から