1月20日(日)大分県運転代行事業協同組合並びに大分県内の自動車運転代行事業者が参加する特別講習会に協会丹澤会長が招へいされ講演を行いました。
先に、大分県警察本部 交通部交通企画課 林田 宗一企画係長が「交通安全に対する運転代行業の役割と責任について」と題して、熊本県の飲酒運転に対する意識は高くなっており、飲酒運転が減少している要因は運転代行の皆さんのおかげであると賞賛されたが、代行事業者の第1当事者事故は毎年生起している。事故の特徴(夜間運転→視認性を意識しているか)は、追突:46.2%、時間帯:0時~1時が多い、曜日:金、土、日の事故が多いので注意してほしい。労働災害として、ハインリッヒの法則から、ヒヤリとするような事象を見逃さず、従業員に対し指導と教育充実させ、利用者の「命と財産」を守り、信用される業界にしていただきたいと要望されました。
次に、大分県企画振興部 観光地域局 交通政策課 交通政策班佐藤 恭司主幹から、「運転代行業における適正な業務運営について」は、権限移譲について資料を交えて説明をされたうえで、行政と事業者が現状における問題点・要望等の意見を交換をするなかで、業者もちゃんとした仕事(利用者サービス)ができるよう進めて行きたいと抱負を述べられました。
その後、行政に対する質疑応答の時間が設けられました。
業者:まだ、マグネット、名義貸し、白タク、違法業者が多い。
県庁:県に違法業者に関する情報を通報してほしい。対応します。
業者:「チクった」と言われる。どのように通報するのか分からない。
現状は納得のいく改善はされていない。 誰がどのように取り締まるのか。
会長:行政は現場を知らな過ぎる。業法、罰則規定を知らない。業者も知識がない。
県が業者を集めて、講習会をするべき。行政や業者が勉強不足でありめんどくさいと
行動を起こしていないのが現状であり、お互いがどう改善していくかと考え、業として
成り立つようにすべき。
引き続き、大分労働局労働基準部監督課 川辺 博之監督課長が「運転代行事業者が順守すべき労働関係法規について」次のように発表されました。
代行業者は全般的に労働関係法規に関する基本的理解がされていないため、指導やトラブルが多く発生しています。中でも、提出書類・最低賃金・割増賃金・深夜手当・残業・健康診断等に関する理解が不十分であり、配布の労働行政便覧をもとに詳しく説明された。また、割増賃金の不払いについては、過去にさかのぼって支払命令が発出されるほか、従業員が待機中も拘束された時間として賃金の支払いが必要であり、年次有給についてもアルバイト等に対しても同様に付与する必要があると注意喚起されるほか、労働基準内容を守る意識を持った事業運営を要望されました。
休憩に引き続き、長崎県自動車運転代行業連絡協議会 山口 英治会長から「長崎県における活動事例」と題して、毎年行なわれている飲酒運転根絶キャンペーンを、県警・大村署と代行業者が合同で行った、「長崎県周遊キャラバン隊」の活動内容をDVDにて発表されました。
最後に、公益社団法人全国運転代行協会 丹澤 忠義会長が、「近年の運転代行業を取り巻く現状と課題」と題して 地方への権限移譲に続き、利用者保護対策が昨年、国交省から発出され、協会は多くの説明資料を作成配布しましたが、行政も事業者も法の理解レベルが低く、法の不順守を甘く見ている感があります。行政を交えた通報制度等によりダンピング(不当廉売)・労基違反・税未納・立入り等が厳しくなります。その中で皆さんが運転代行業界で食べていけるレベルにするには、先ず社団に加入し法に関する理解を深め(講習会及び資料の提供)第一歩として力を合わせ、問題視されている地域の料金制度を統一する必要がある。今後、行政に営業ナンバー(省令)、新規参入者(3台以上)を要望し法的整備要望するほか、SDDプロジェクトの講演を通じて代行利用者への促進に努めて行きますので、先ずは協会に加入し一緒に活動することで健全な運転代行業界にしましょう。と講話を結びました。
公益社団法人全国運転代行協会 大分支部の報告から