11月30日(水)、長崎県自動車運転代行業連絡協議会(山口会長)から、同協議会総会において協会丹澤会長を特別講師として招へいされ、代行業界の現状と今後の取り組みについて講話を行いました。
総会に先立ち、協会丹澤会長から、業界を取りまとめて適正化するために平成8年3月に社団を設立し、行政との調整の結果平成14年に適正化法が発布されました。ただし、運転代行業を認定制にしたことにより平成12年12月末時点の事業者数2,764社 随伴車両台数14,996台が、平成16年12月末には、事業者数5,647社 随伴車両台数22,855台と業界が急激に拡大するとともに週末だけのアルバイト的な事業者により代行料金の安売りが行われるようになった。
この様な状況下で行われた全国知事会の席上で、運転代行業の事務・権限を地方に移譲してほしいとの要望から、平成26年4月から国土交通大臣の事務・権限が地方に移譲され、また、国土交通省、協会、事業者による懇談会が重ねられ、本年4月に国土交通省から「利用者保護対策」として、
1 「料金ガイドライン」を参考に料金体系・料金水準を定めること。
2 自動車運転代行業約款の改定
(1) 随伴用自動車の損賠賠償措置を適正に講ずること
(2) 変更した約款を営業所に掲示すること
3 随伴用自動車の表示の厳格化
4 役務提供の条件説明用書面の標準化
以上の内容が運転代行事業者がすべきこととされております。
上記懇談会の際最も多かった項目は料金に関することで、「価格競争からタクシーより安価な料金が定着し、従業員(ドライバー)に対する賃金も安くせざるを得ないことから、ドライバーの確保が難しくなり、利用者からの依頼はあってもドライバーの不足で対応ができない。」との声が多かった。
「しかしながら社会の情勢は、マイナンバー制度の導入、従業員の労働環境の改善要求等によりさらに運転代行業の経営は厳しい状況となるでしょう。また、来年からスタートする通報制度にしても、そこで今やるべきことは、地方に応じた適正な料金体系や料金の水準を定め、利用者に理解してもらうこと、事業者間で適正な業界にしようとする皆さんの意思に、協会支部そして行政が関わりより良い業界にしたい。」と連絡協議会総会への餞のことばで講話を終了しました。