第一部は、板橋支部長からこの勉強会の開催にあたり、これまで代行業界に深い理解と支援をいただいている方々の紹介と、運転代行業の適正化に向けての熱いメッセージで勉強会が始まりました。
次に、運転代行業界に詳しい高橋克法参議院議員から、「これまでの規制緩和、自由競争等が原因で料金のダンピングが発生し、運転代行の従事者の処遇・福利厚生の悪化、コンプライアンス違反等が生起し、これが運転代行業界以外の、トラック・バス業界にも同様の混乱が生じている。運転代行業界においては、まじめな中堅会社が継続不能となり、数十台を保有する大手事業者又は1台・2台での零細業事業者の2極化が進でいる現状です。まじめに事業を行っている優良な事業者に今後も事業を続けて欲しい。そのためには、運転代行を取巻く周辺の環境を含め、健全業者を守り残していかねばならない。」と代行業界の現状と適正化への決意を述べられました。そのためには、運転代行を取巻く周辺の環境を含め、健全業者を守り残していかねばならない。」と代行業界の現状と適正化への決意を述べられました。
会場風景
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3年前から、県議会で代行事業への行政支援について取組んでおられる横松盛人栃木県議会議員から、「今日の我々の生活環境において運転代行は欠かせない事業であり、多くの問題点を解決するために事業者の皆さんが一つになって私たちにその声を届けて欲しい」と心強い言葉をいただきました。
運転代行と切っても切れない関係から、栃木県飲食業生活衛生同業組合田中米作理事長から、「おいしい料理・楽しい酒そして無事に帰宅されるまでが飲食業の役割と考えれば、運転代行業は無くてはならない存在です。ただし、代行を利用されたお客様から料金・サービス・事故における保険等について分かりにくいとの声が多数我々飲食業に寄せられております。これからともに発展してゆくためには事業者の皆様には、組合や協会に加入し色々な事柄を勉強していただき、利用者に信頼される事業者となって頂きたい。」と激励のお言葉をいただきました。
引き続き、宇都宮タクシー事業者協議会濱田隆也会長からは、「今の宇都宮における夜の街の景気はそれほどでもないことから、我々タクシー業界も過剰台数削減等の自助努力を行っている。代行業界も同様であると聞いておりますが、悲観的に考えるのではなく、この状況をチャンスと捉えて、ともに交通機関の発展に尽力したい。」と激励のお言葉をいただきました。
第2部は、栃木県警察本部交通部交通企画課永瀬知則企画係長から、平成27年栃木県で発生した、交通事故件数・年別推移のほか、交通事故の傾向と特徴が解説され、代行事業者にこのような事故に巻き込まれないよう注意喚起されました。引き続き、運転代行事業者に対する、遵守事項及び平成28年10月1日から実施の法令等の改正内容について以下の通り説明がなされ、参加者は改正内容をメモしながら真剣な面持ちで聞き入っていました。
【利用者保護に係ること】 【営業所毎の備付け】
① 料金の掲示 ① 従事者名簿
② 損害賠償措置 ② 誓約書
③ 約款掲示 ③ 乗務記録
④ 従事者の制限 ④ 苦情記録
⑤ 役務の説明義務 ⑤ 指導記録
⑥ 車両への表示義務
⑦ 従事者の指導義務
次に、栃木県県土整備部交通政策課森戸雄史主事からは、同課課長から平成28年7月1日付で発出された通知文書、「自動車運転代行業における新たな利用者保護対策の実施について」の解説及び本年4月に国土交通省から発出された文書等の解説が下記のとおりなされ、永瀬知則企画係長の講話と相まって、閉会後に参加者からは改正の内容がよく理解できたとの感想が聞かれました。
①料金制度に関するガイドラインの策定
②標準自動車運転代行業約款の改正
・随伴自動車の損害賠償責任の義務化
・随伴用自動車に係る損害賠償責任保険・共済の内容
・AB間輸送を容認するものではない。
・代行運転役務の引受拒絶理由の追加
③ 随伴用自動車の表示方法等について
引き続き、運転代行業界の生き字引である、当協会の丹澤忠義会長から、未だ、安心して利用できる業界ではないとして、国土交通省から「利用者保護対策」が発出され、とりわけ『料金のガイドライン』ではダンピングにより、時給が上げられず運転手の確保が難しい現状や、税金・代行保険・随伴自動車の任意保険・メーター等の経費が捻出できない等から、早急にそれぞれの地域において料金に関する統一が急務である。また、行政の立ち入りに対しては、違法事業者に対する厳正な対応はこれからも要望していく。これまで運転代行業が隙間産業と揶揄されてきたが、そこから脱却するためには、料金に関する統一したルールが必要であり、これまでもこの料金問題が取り上げられてきたが、これが最後のチャンスであり、皆さんには今こそ真剣に考えていただきたい。」と、これまで業界を担ってきた協会会長として熱のこもった講話がなされ、この後開催された懇親会でも、共感された方々から質問等が多く寄せられました。
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休憩を挟んで、当協会の霜鳥雅一理事と辻哲也理事から、料金の算定概要、通報制度、メーター器のサンプル案内等、事業者が実行しなければならない事項について、行政の方針及びその概要が説明されました。また、「利用者に安心して利用していただくために、業界が抱える諸問題に対して、これまで協会はいろいろな施策を行ってきたが、現場で活動する我々としては、適正化を推進するためには1社でも多くの事業者の皆さんに協会に加入していただき、共に講習会や飲酒運転根絶等の啓発活動を行うことが、今後さらに必要である。」と協会加入を促し、即日4社から加入の申し込みがありました。如何に有意義な講習内容であったかがうかがえました。
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最後に、この講習会を地元の活動に活かそうと、福島県から参加された事業者4社の紹介
とともに、業界の現状に地域で前向きに取り組むことを確認し、お礼の言葉で締めくくり
閉会となりました。
公益社団法人全国運転代行協会 栃木県支部の報告から
本部事務局から、講習会に参加された方々から、一緒に活動をしたいとのことで、入会の申込みがありました。 この記事をご覧になられた方へ、業界の適正化を一緒に進めませんか。